介護のいま

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#17 受診なし・病名なしの状態

Aさんはパーキンソン病と診断され2年。通所サービスを利用しながら生活をしている。歩く能力などご自身で出来る事は多く維持されています。

精神面はむらがあり落ち着いている時は紳士的・言葉が丁寧な方です(本当はそういう方なんだと思います)

一方急に不安の訴えやとつぜん寝込む・本人曰く「パニック状態になる」他者トラブルなど問題行動を起こす、デイサービスのスケジュールに合わせて行動が出来ない・過呼吸のような状態になる・不明言動 まるで2重人格のように人相が変り不穏状態になってしまう事がよくありました。

さっきまで落ち着いていたのに今すぐ寝たいとよく訴えられました。理由を聞くと「パニックで起きていられない」と答えられる。

本当に横になるしかないようでしたのでベッドへお連れしていました。

 

奥様はAさんに寄り添いながら一生懸命在宅介助をしているので問題行動を伝えるのも配慮が必要です。(昔から問題行動を起こしてきた方ならともかく普段の人格は紳士な訳ですから)

 

本人に聞いても自分が不穏状態だった事を覚えていない事が多くカルテを見てもAさんに精神的な疾患の記載はありません。

私はAさんが老化と病気の進行の段階で(もしくは発達の段階から)見落とされている精神的な疾患があるのではないかと考えるようになりました。

 

他職種も概ね同じ結論になってきました。

ただし在宅介護だと本人と奥様が拒否をすると精神科に連れて行く事が非常に困難です。

病気がどういうものかわからないまま何となく対応する方も大変ですが、本人も適切な治療無く悪気無く問題行動を起こしてしまうのはつらいと思います。

 

大事なので二回強調しますが本人と奥様が拒否をすると精神科に連れて行く事が非常に困難です。(それは高齢者だけでなく大の大人や体は大人の若者も本人が病院に行くことを拒否すれば簡単につれていくことはできません)

結局様々な出来事やケース・行動を記録に残し医療職に相談し適切な治療を開始することができるようになりました。

以前より改善されたとはいえ日本人は精神科受診はまだまだ抵抗がある方が多く適切な治療を受けられずに本人も周囲もつらい・つらいと言っているケースは本当に多いです。

大人の男を本人が嫌がっているのに無理矢理連れて行く事なんて不可能ですから。

特に団塊世代はまだまだ精神科受診は抵抗があるようです。

 

このケース次回へ続きます。

 

 

 

 

 

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